スマートグリッドの基礎知識

次世代の電力ネットワークであるスマートグリッドについての話

次世代メーターのシステム開発

東京ガスと大阪ガス、東邦ガスが、通信機能を持つ次世代検針器「スマートメーター」のシステムを共同開発することで合意したのだそうです。


3社はメーター開発や通信規格の共通化に取り組んでおり、メーターと各社の顧客情報管理システムをつなぐシステムの開発でも協力し、コストの低減を図っていくのだそうで、2022年度下期の完成を目指しています。


スマートメーターは、ガスの使用量を自動検針し、人の手で実施している検針の作業が遠隔からできるようになるもので、ガス漏れの可能性があれば遠隔からガス栓を閉めることができるうえ、検針作業の効率化や災害時の復旧作業などの迅速化に繋がります。


システム完成後、ガスメーターの更新時期に合わせて約10年間かけ順次導入していく予定となっており、都市ガス大手が大規模なガスのスマートメーターシステムの共同開発に取り組むのは初めてのことなのだとか。


スマートメーターについては、東日本大震災後の省エネルギー志向や電力小売りの完全自由化の影響もあり、電力分野が先行していたのですが、いよいよその他の分野でも広がっていきそうですね。

太陽光発電のメリット・デメリット

太陽光のエネルギーなのですが、100%利用可能となるのであれば、たったの1時間で全世界の電力1年分を賄えるのだそうです。


太陽の力は凄いですよね。
そこで住宅の屋上などに太陽電池パネルを設置し発電する「太陽光発電」の普及が進み始めていて、風力と同様に天候次第で出力が不安定になるという問題はあるのですが、今日までに至る技術開発や国家予算による補助金などの成果もあり、今後もどんどん普及していきそうです。




そんな太陽光発電ですが、風力発電のように可動部分がないため管理が比較的楽で、需要のある場所に設置することができるということから送電ロスが少なく、メリットが大きいのですが、その反面、面積当たりの発電量が小さく、さらには夜間などは発電することができませんから、発電コストが高いということがデメリットになります。


日本では、石油危機があってからというもの技術開発が進み、一時期は生産・導入量ともに世界1位だったこともあるのですが、現在では海外のメーカーが大規模投資や大量生産を行っており、日本のメーカーが競争力を失っている感があります。

スマートメーターによる測定

従来の電気メーターでは金属盤の回転を歯車で指針に伝えることで消費電力量を示しており、円盤の回転は消費する電力によって速くなったり、遅くなったりします。


スマートメータではこの円盤の代わりに電線を流れる電気の量を測定する電子センサーを使い、屋内に流れる電圧と電流を測り、この2つを掛け合わせた電力の大きさをデジタル信号に変え、半導体のメモリーに電子データとして蓄積します。




この蓄積された電子データを数値で表示すれば電力消費量が計算できますし、そこに電気の料金単価を掛ければ、電気代も表示できるようになります。


しかも1カ月単位といわず、15分単位、1時間単位、1日単位として細かく消費した電気の量を知り、その時の電気代も簡単にわかるようになります。


電力供給事業者にとっては、「個々のユーザがどれだけの電気を消費しているのか」「消全体的に消費が増えているのか、減っているのか」を図ることができますし、電気料金を請求するための基礎データともなります。