スマートグリッドの基礎知識

次世代の電力ネットワークであるスマートグリッドについての話

スマートグリッドセキュリティ市場、CAGR12.1%で成長見込み

市場調査レポート「スマートグリッドセキュリティの世界市場:業界動向、市場シェア・規模・成長率・機会および予測(2021年~2026年)」によれば、スマートグリッドセキュリティ市場は、2020年に63億米ドルの規模に達し、今後、2021年から2026年にかけ、CAGR 12.1%で市場が成長すると予測されています。


スマートグリッドセキュリティというのは、スマート電力網、通信、情報技術(IT)システムのセキュリティを確保するための様々なソリューションやサービスを指し、これにより、グリッド全体で、効率的で信頼性が高く、費用対効果の高い、クリーンなエネルギーの分配が行われるようになります。


スマートグリッドは、高度なコンポーネントや制御方法、統合された通信システムと、測定やセンシングのための改良されたインターフェースで構成されており、ウイルス対策、マルウェア対策、ファイアウォール、IAM(Identity and Access Management)、暗号化、侵入検知、DLP(Data Loss Prevention)システムなど、さまざまな技術的ソリューションを採用しています。


さらに、スマートグリッドのセキュリティを効率的に確保するために、産業用制御システム(ICS)、高度な計測インフラ、家庭用エネルギー管理システムなど、さまざまなサブシステムが使用されています。


先進国と発展途上国の両方で電力需要と発電量が増加していて、合わせてサイバー攻撃が増加していることが、現在、市場成長の主な要因となっていて、そのため、通信とスマートグリッドの展開を保護するために、スマートグリッドセキュリティシステムの導入が広がっています。


さまざまな産業分野でクラウドやウェブベースのアプリケーションの利用が増えていることも、市場の成長を後押ししており、消費者は、ホームエリアネットワーク(HAN)を保護し、データのプライバシーと保護を確保するために、これらのセキュリティソリューションを接続機器に導入しています。


さらに、SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)システムとIoT(Internet of Things)の統合など、さまざまな技術的進歩が市場にプラスの展望をもたらし、急速な都市化の進展や、スマートグリッド技術による電力部門のデジタル化に向けた政府の積極的な取り組みなども、市場をさらに押し上げる要因になると考えられます。