スマートグリッドの基礎知識

次世代の電力ネットワークであるスマートグリッドについての話

東京ガスが24年からスマートメーター導入

東京ガスが、2024年1月から都市ガスの次世代計測器の導入を始め。通信機能を持たせて検針やガス栓の開閉を遠隔でできるようにし、省人化や災害時の迅速な復旧につなげていきます。計画では30年代前半までに現行機との入れ替えを行う予定です。

ガスメーター


導管事業を営む子会社の東京ガスネットワークが手掛けるようで、ガス業界で全面切り替えを決めるのは初めてになるとのことで、首都圏でガスを供給する家庭など約1200万戸を対象に交換するようです。


この取り組みは、2019年から顧客の数%で試験導入されてきており、機能に問題がないと判断され、24年1月から全域で切り替えを始めていくのだそうで、計測器は10年に1回は交換する決まりとなっており、その更新期を迎えた順に入れ替えていかれるようで、工場など大口客用の機器については開発中で、完成後に交換していくようです。


ガスの計測器は、電線を引き込む手間がないよう電池で動くようになっているようで、最大10年間は電池を交換せずに動かす必要があり、機能は保安や省人化に関わるものに絞り、価格を抑えて、顧客には負担が生じないようになっています。


スマートメーターにおいては電気で先行しており、24年度までに全国のほぼ全ての家庭に設置される見通しで、10月には使用量など電力データの一般企業の利用も解禁されています。

スマートメーターと電力システムが次世代化する

「スマートメーターと電力システムが次世代化する」と題して、ランディスギア/三菱総研/SENSE/ヌリフレックス/早大によるセミナーが、2023年11月2日(木)に開催されます。


スマートメーターと電力システムが次世代化する

  • 2023年11月2日(木)午後1時~5時
  • 会場受講:SSKセミナールーム
  • ライブ配信 (Zoomウェビナー)
  • 受講料:1名につき33,330円(税込)

講義内容

スマートメータリングからスマートインフラへ

世界各地でスマートメーターの導入が進んでいるが、自動検針のその先にはどう言う世界が構想されているのか。再エネ導入や電化が経済のブロック化や地政学的な動向を受けて更に加速する中、どの様な技術革新や取り組みが求められているのか。グローバルの動向とランディス+ギアの取り組みを紹介します。

電力システム分散化の海外事例と我が国の施策

電力システムにおいて、分散型エネルギーリソースに期待される役割が国内外ともに高まっている。リソースに求められる役割は様々であり、また、それを実現するうえでスマートメーターとのデータ連携も重要となっている。本講演では、電力システム分散化におけるスマートメーターと分散型エネルギーリソースのあり方に着目し、最新の動向をお伝えします。

送配電サービスの変革のキーワード!SenseのAI電力分析技術

Sense社のDisaggregation技術を用いることで、送配電サービスに変革をもたらすことが世界中で期待されています。
例えば、消費電力の削減、家庭内での故障検知、引き込み線の劣化診断、送配電網の故障検知、高精度EMSサポート、EV充電の制御向上など、サービスへの応用、大幅なコストダウンなど期待が広がっています。

国内外におけるスマートメーターの活用例とサービス展開

スマートメーターが世界で導入されてから十数年が経ち、AMIの活用方法も多岐に渡り広がっています。グローバル市場にて20ヵ国以上の配電会社にスマートメーターのシステムを実装してきたヌリフレックスが見るエネルギー情報の活用と、AMIインフラを活用したエネルギー関連サービス、新たに派生している新ビジネス等をご紹介します。

パネルディスカッション スマートメーターの進展と我が国における論点

次世代スマートメーターは電力システムDX化のキーデバイスであり、グリッドの次世代化やデータによる新たな価値・ビジネス創出など期待は大きい。講演者とともに、我が国における論点、課題、展望について議論を行う。

コーディネーター

  • 早稲田大学スマート社会融合研究機構 研究院教授 石井英雄氏

パネリスト

  • ランディス&ギアジャパン株式会社日本法人代表取締役社長 高見栄造氏
  • 株式会社三菱総合研究所 エネルギー・サステナビリティ事業本部 電力システムイノベーショングループ グループリーダー 中村俊哉氏
  • ボストンSENSE社 日本エージェント/ノウレッジリンク 代表/(株)エクサ 代表取締役 楠本圭祐氏
  • ヌリフレックスジャパン株式会社 代表取締役 鈴木真幸氏



スマートグリッド市場、2021年から2026年の間に成長見込み

スマートグリッド市場は、2015年から2020年にかけて力強い成長を示し、今後、2021年から2026年の間に約14%のCAGRで市場が成長すると予想されています。

急速な都市化やデジタル化の進展に伴い、世界的にエネルギー需要が増加していることが、市場成長の主な要因の一つとなっていて、新興国では、既存のグリッドインフラの改修やソフトウェアベースのアーキテクチャの導入にスマートグリッドが活用されていて、さらに、太陽光発電、地熱発電、水力発電などの分散型エネルギー源の普及も市場の成長を後押ししています。


これらのエネルギー源は、マイクログリッドやさまざまな接続機器を介して、オンサイトでの発電や蓄電を可能にし、さらにスマートグリッドとクラウド技術の統合により、現在のエネルギー使用状況の分析やパターンの監視が容易になり、環境保護や省エネルギーに関する懸念に対応できるようになっています。


その他、有利な政府政策、世界各地でのスマートシティの開発、研究開発(R&D)活動の増加などの要因が、市場をさらに押し上げると予測されます。

スマートグリッドとは

双方向のデジタル通信システムを介して電力を供給するための電子ネットワークを指し、送配電プロセスにおいて、電力の需要と供給に関するデータをリアルタイムに収集することができます。
スマートグリッドには、課金データ収集の自動化や機器の故障を検知するためのスマートセンサーや電力計、無線通信による長距離送電を行うための超電導ケーブルなどのデバイスが主に利用されており、これらのグリッドは、自己修復機能を備えており、漏電のない安定した電力供給を可能にするとともに、グリッド運営に対する消費者の参加を促進し、全体的な効率の向上とエネルギー生産コストの削減に貢献しています。